絵師さんに依頼をするときにありがたがられる方法
こんにちは! 作者です。
最近、絵師界隈でリツイートされてきた「絵師さんに同人小説の表紙を頼んだ話」といったブログを読みました。(現在は削除されているようです)
要約すると、物書きの方が絵師に表紙を頼むのだけれど上手くいったことがない(気に入るような絵や構図になっていない)といった内容です。
近頃では技術書を個人で作る人も多いかと思います。
その際の絵や表紙の依頼をする方もいるでしょう。
ですが、自分の領域外の「イラスト」や「デザイン」の依頼をするのは難しいものです。
私も最近は嬉しいことにイラストの依頼をいただけたりしていますので、その際に思ったことなどを交えてブログに残しておきたいと思います。
■目次
「イイカンジでお願いします」になりがちな絵の依頼
このブログを読む人は開発界隈の人が多いと思いますので、アプリ開発で例に挙げてみましょう。
「体重管理アプリ作りたいんですよ。体重を入力できて、グラフがイイカンジに表示できるやつです。機能はシンプルにそんな感じなので簡単だと思います。では完成したらお知らせください~」
……ちょっと待て。
って絶対言いますよね!
データは何年分保持したいかとか、グラフは期間で切り替えあるかとか、挙げるときりがないくらい聞きたいことは出てくるかと思います。
これは盛り盛りな大げさな例ですが、絵では近いことが割と起きます。
「ふりかえりの場面の挿絵がほしいです。イメージとしてはみんなで集まって、意見を出し合いながらワイワイと賑やかにふりかえりする様子です」
なんてどうでしょうか。
この場合「どんな絵でも入ればうれしいな~」くらいな期待値の場合はほぼ受け入れられます。
ですが、依頼主の中にぼんやりとでもイメージがあったとしましょう。
イメージがある場合は、できたものとの差異が発生します。
こんな感じでしょうか。
「あ~模造紙にみんなで付箋を貼ってワイワイやってる感じをイメージしてたんだけど、パソコン見てワイワイしちゃったかー」
上記は指定が細かい方です。
「ここにスーツ姿の女の子が困ってる様子を入れて!」みたいな粒度の方が多いです。
これも、要求の期待値が文字通り「女の子」「困っている様子」だけなら全然よいのです。
ここももし
「スーツといえばスカート」
「困っているといったら汗をかいてオロオロしている姿」
みたいなイメージを描いてほしかったのに、できたものが
「スーツといえばパンツスーツ」
「困っているといったら頭を抱えてウンガーとやってる姿」
だと大失敗となってしまうわけです。
相手はプロだから……?
「自分はデザインとか絵とか全然わからない。先方はプロ。素人の私がアレコレ言うのはお門違いだ。先方に投げればいい感じにくんでくれる。余計な口出しはしないでおこう」
こう思っている人は多そうな気がしています。
確かに、そういうことを酌んで「イイカンジ」に仕上げる凄腕プロもいらっしゃいますが……。
この辺もシステム開発を思い出せばわかりやすいかもしれません。
じゃあどうすればいいの?
依頼主側のイメージと、絵師さん側のイメージをすり合わせていく必要があります。
これまで私が経験した方法を書いていきますね。
超簡単でいいので、ラフっぽい絵がある
もう正直これが一番最高ですw
以下にいただいたラフ→仕上げたイラストを載せてみます。
以下はiviaさんのキャラ、三条あかねちゃんです。
ラフがあるのは本当に本当にありがたい!
ラフがあると、イメージがほぼズレません。
2枚目についてはあかねちゃんの様子が変わっていますが、「わぁ!」と手を広げるのは白々しさが出る&キャラの性格をかねてポーズを変えています。
(ここで表現したいのは「こんなに試験項目が!」という驚き。そこは変えずに表現)
これがもし文字ベースで「大量の試験項目を渡されて驚くあかねちゃん」だったのならば、私はもしかしたら紙ベースではなくcloudを覗いて「ひゃ~っ」としている絵を描いていたかもしれません。
「こんな感じの絵でお願いします」とググった画像などをくれる
ラフの絵も無理!という人は多いかと思います。
けれど、イメージが頭の中にあるのならば、それに近い画像をgoogleなどで検索して
「これっぽい絵でお願いします! これこれこういう風にしてほしいと思います」
といった感じで、拾い物の画像+どうしてほしいかの説明をいただけるだけでも、かなり良い認識合わせができます。
例:
こんな感じで!
あいよっ!
プロトタイプモデル(ラフをまず書いてもらう)で進める
上述はイメージが固まってる場合ですが、イメージも全然固まってない状態の場合の方が圧倒的に多いです。
なので、まずは依頼主と絵師側でやり取りを行った後に「ラフ」を描いてもらって、それを踏まえてイメージを固めていく方法を取ることが多いです。
このやり方が一般的かと思います。
絵の「プロトタイプモデル」といったところですw
ラフを描いてもらえると、自分の中のぼんやりしたイメージも見えてきて「ここはこうなった方が……」など考えが浮かぶものです。
で、一番まずいのがラフを見て……
(あー……なんか違うんだけど、直してもらうのもなんか悪いし……)
「ありがとうございます! すごく素敵です! 引き続きお願いします!」
これは全く双方のためにならないです。
これも開発に例えるなら、レビューをしてるのに
(あー……ここ全然ダメなんだけど、指摘するとなんか可哀そうだし、嫌な奴って思われるかもしれないし……)
「LGTM!」
なんのためにレビューしてるんだ、ってなりますよね(汗)
めっちゃ指定する
それこそシステム開発の仕様書のようにカッチリとさせる方法です。
これをやるなら、たぶん一回ファミレスで打ち合わせする方が早そうです。
例:キャラデザ
***
と、こんな感じです。
作者が依頼マンガを完成させるまでのフロー
作者は現在、某社から依頼を受けてマンガを描いていたりします。
イラストやデザインとは違いますが、そのときにどうやっているか書いておきます。
1. ミーティングでネタだし
まずは担当の方と会って、次号のネタだしをします。
「こんなテーマはどうか」みたいなネタだしをします。
そこである程度の方向性の認識合わせをします。
あとミーティングの場で、ネタ固め、ネーム、ネームチェック、本番提出それぞれのスケジュールを確定します。
その後、依頼主(担当者さん)の方で持ち帰りで、どんな話の流れにするか揉んでくれます。
2. 担当者さんが揉んだ内容がメールで送られてくる
大まかな内容の流れがメールで送られてきます。
それをもとに私側でアイディアや知見を入れ、詳細にして、ネームに落としていきます。
ネーム完成後、メールでレビュー依頼をします。
3.担当者さんから「~のようになると嬉しいです」とくる
指摘が来るので、そこを直し……と、アレコレと固めます
簡単な修正だと、言われた場所を直してそのまま下書きに進行するし、大きな修正だと再提出して再レビューをしてもらいます。
4.下書き→ペン入れ→提出
ネーム段階で要件を固めてしまっているので、あとは完成まで突き進みます。
5. 提出後の修正
セリフの中身などにちょっとした修正があったりすることがあります。
この段階では絵そのものに関わるような修正はなしです。
そして修正をして、完成となります。
おまけ1:デザインやイラストの価格(リンクです)
デザインやイラストを頼むときに困るのが価格だと思います。
この辺は人によってふんわりしています。
イラストの価格相場の貼っておきます。
おまけ2:今の作者の場合
さて、今の作者の場合です。
作者は他の絵師さんと違って「テスト業界専属」みたいな感じになっていますw
依頼してくださる方にお値段はお任せしていますが、1点あたり10,000~15,000円でのオファーが多いです。
キャラは書けますが、背景が描けない…という素人感は満載です(^-^;
それと、もれなく「アニメ塗り」になります(爆
あと「絵を描いて!」というよりは
「テスターちゃん(きゅんちゃん)を描いてください!」がほとんど!
いうなればきゅんちゃんの出演オファー!
つまり、僕はプロデューサーさんかも!
Pさん……!
……ごめんなさい、なんでもありません忘れてください(爆