テスターちゃん【4コマ漫画】

ソフトウェアテストの用語、やり方などを4コマ漫画でわかりやすく説明する(予定の)ブログです。脱線も多いです。



箸休め回『境い目』

箸休め回『境い目』

テスターちゃん2巻の締め切りが10/31で必死に頑張っている作者です。

今は章と章の間の箸休めがないところが多いので一生懸命描いている最中です。

 

さて、今回は境い目の話です。

作者はここのところハードウェア系の人になっています。

ハードウェア(組み込み系)だとマンガに描いたように特定の境い目ひとつでON/OFFを切り替えてしまうと大変なことになってしまいます。

例えば温度が40度になったらON/OFFにする機械があったとします。

その機械が熱をもって40度になったらどうなるでしょうか?

40度まで温度が上がったら電源がOFFになります。

電源がOFFになるので当然機械の温度は下がります。

そうすると39.9度になるので電源がONになります。

電源がONになるので当然機械の温度が上がります。

そうすると40.0度になるので電源がOFFになります。

ウサコが言うように、これをひたすら繰り返してしまうことになるのです。

なので、こういった場合は40度で電源がOFF、35度で電源がONになるといったようにふたつの境い目を設けます。

このことをヒステリシスというそうです。

 

SESSAME(組み込みソフトウェア管理者・技術者育成研究会)の用語集では以下の様に記載されています。

【ヒステリシス(Hysteresis) / シュミット・トリガ(Schmitt Trigger)】《HW》

入力信号、電圧に対して上限下限別々の値のスレッショルドレベルを持つことをヒステリシスといい、上限値、下限値の差をヒステリシス電圧という。
この上限値、下限値のスレッショルドレベルより入力が大きくなるか、小さくなるかを変化のトリガーとするFF(フリップフロップ)をシュミットトリガという

https://www.sessame.jp/knowledge/terms_main_files/terms-ha.html

 

 

最後のお題は時間がある時にでも考えてみましょう!

 

 

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さて、お題について。

人で考えると某マンガに引っ張られそうなので、上に引き続き機械の電源ON/OFFで考えてみます(笑)

とりあえず38度の時を1回確認して終わり、だとテスト不足です。

前提条件が大切になります。

電源がONになっているとき、つまり40度に到達していないときは38度の時は電源ONが期待結果です。

ですが電源がOFFになっているとき、つまり40度まで到達してから温度が下がってきて38度になったときは電源OFFが期待結果です。

同じ38度という温度でも期待結果が前提条件によってふるまいが変わります。

さらに機械によっては、40度に到達しておらず電源ONの状態で38度の時にコンセントやバッテリーを抜き差しする(根本から電気の供給を切ってしまってリセットする)と、電源がONになるのかOFFのままか、といったことも考えたりします。